たまねぎ日記

毎日生きていく方法

シンゴジラをもう一回見たし,買った

ほったらかしていたブログをまた書いてみようかという気持ちになった.もともと頭をシャキリさせるために,できるだけたくさん短時間で文字を書くことコンセプトにしていた.それをわずか2回の投稿でしかも2年間もほったらかすという我ながら情けないことをしたものだ.とにかく過去を嘆くよりも今のために書いてみることにする.

 

シンゴジラを再度見た.最初は茅ヶ崎の映画館で一人で見に行ったと思う.当時シンゴジラはネタ臭がすごくて,なんでシン・エヴァンゲリオン作らないでゴジラなんか作ってんだよ,庵野監督みたいな雰囲気だった.自分もネタ的に見に行ったつもりだった.茅ヶ崎の映画館は全然混んでいなくて,半分もお客さんが入っていなかったんじゃないかな.それも合って期待せずに見た.

 

シンゴジラすごい・・・

 

これが当時の率直な感想だった.物語が淡々と過ぎていく.おかしな人間ドラマは石原さとみ界隈にちょっとあるくらいで,非常にゴジラ急襲の事案に対して日本の行政機能が淡々と対応していく.学生の時にコレを見たのならば,日本の政治家や官僚ってホントだめだめだな,と感じたことだろう.けれど社会人などリアル社会を経験しているものだったら,あれのすごさがわかると思う.官房長官の仕切りの見事さ.事態の急変を察して会議を中断したり,総理の気持ちを察しながら今が決断のタイミングであることを上手に促している.総理は決断すべきときには決断している.形式的な会議であることを自覚しつつも,一方でそれがなければ実質は動かないことを現場で感じるものがいながらゴジラに対して皆が淡々と仕事をしていく.一番印象的だったのが,対策本部が設置された時にコピー機が大量に搬送されるシーンだ.おいおい今さら「紙」かよ,やっぱり日本て遅れてるな-なんて思った人もいるだろう.けどね,やっぱり現場では「紙」が情報共有のツールとしてまだまだ有効なんだなあと思った.事態がどう変化するのか分からない中,ITツールってどこまで柔軟性があるのかっていうね,例えば明日からメンバーが変わったり担当部署が増えたり減ったりすると,現場の煩雑さに耐えるほどITツールって万能じゃないのかなって言う気がする.きっとあの現場ではマキ教授の暗号?を解析したり,もちろんメールや情報共有にITツールは使ったことだろう.それ以外のポテンヒットゾーンを処理する場所として,同じ仕事をするメンバーが集まる会議室だったり紙が必要なんじゃなかろうか.自分の話で悪いけど例えば研修なんかで全員のバックグラウンドやスキルがわからない状況に於いては,メールだったりOFFICEの共有だったりはどうしても不備が出ることが多い.でもたった一枚の付箋やホワイトボードでの事態共有がすごい有効だったりしたんだよなあ.

 

さてさて話をシンゴジラに戻して,,,物語のテンポはすごぶる良い.

どんどん物語が進んでいって,さっさと準備が完了していく.自衛隊も作戦が決まっていって上陸ルートに応じた場合分けの作戦が準備されていく.この淡々さんは非常に快感である.庵野監督はこういうのが面白いし自分も作っていて楽しいと感じながら作ったに違いない.シンゴジラは大人になった子供が作った思考実験ともいうべき,リアルvs虚構のコピーが示すような事態展開ドラマなのだろう.僕も非常にこういうのは好きだ.

 

ゴジラがどんな破壊を見せるのか,そういう期待ももちろんあった.それよりも自分がもっと見せてくれ,どんどんやってくれと思ったのが矢口を始め,日本の行政機関の対応である.次はどんな手段でゴジラの進撃を止めてくれるのか,行政の力がどれだけゴジラに対抗し得るのか,人間の知恵や現場の工夫がどれだけ通用するのか,非常に期待しながら見た.矢口の巨災対チームのメンバーたちはとても素直で実直な連中である.これは意図的にそういうキャストや設計にしたのだろうと思う.そういう実直な人間がゴジラという災害に対抗し得る実体であることを脚本家や監督は表現したかったし,きっと映画づくりの中でも,そんな実感を感じながら仕事をしてきたのだろう.

 

巨災対のメンバーたちは良くも悪くも目の前の仕事にしか興味がない.でも目の前の仕事に対して大きな好奇心を持って仕事をしている.善良なオタクのイメージで,偉くなることには興味はないあぶれ者の集まりだ.そういう人間たちを讃歌しているようなドラマ出会ったと思う.尾頭ヒロミはそれの代表格だった.総理ミーティング?でもあったように,彼女は人の目を見て話さないけど,余計なシガラミを一切期にせず科学的な見解を述べる.早口で情報量が多いように見えて,言うべきことを言っているだけだ.石原さとみのことはとっても好きだけど.シンゴジラでは尾頭ヒロミが一番ヒロインしてたなと思った.空気の下ネゴを取らずに自分の見解を自分の責任で喋れる人って素敵だね.(仕事では苦労すると思うけど,でもそういう人をうまく使ってくれる人もいるんだよね)

ちなみに市川実日子尾頭ヒロミっぽいVAIOのCM.シンゴジラを見た人にニヤッとさせる演出になっている.

 

 


VAIO 静寂キーボード篇

 

映画を見てから1年が経っただろうか.itunesで2500円でシンゴジラを買った.一週間で2回くらい見ている.もっとこういう映画増えないかなーと思う.SFちっくであんまし人間ドラマがないものがいいなあ.こういうのはやらないかなー.